「結構上手くいってね⁉」

 拓海が自分の髪を人差し指に絡めながら、ニカッと笑った。

 拓海の髪は、中側だけ青に染まっていて、パッと見は黒髪なのにたまにチラチラ顔を出す青が凄くオシャレだった。

 「凄い‼ 美容室に行ったみたいに上手に出来てる‼」

 マルオが拓海に近付き、『器用だねー』と拓海の髪を触った。

 「さすがイケメン‼」「染めて正解‼」

 蒼ちゃんと俺も拓海を囲んで『凄い凄い‼』と騒ぐと、

 「まぁ、話の内容には全く関係ない青だけどな」

 と拓海がまんざらでもない顔をしながら頭を掻いた。

 「まぁ、そう言いなさんなって。拓海の髪も染め上がったところで、そろそろ撮影しに行こうぜー‼」

 蒼ちゃんは、ポンポンと拓海の頭を撫でると、カメラを手に取り部屋を出て行った。

 「待ってよ、蒼ちゃん‼」

 台本やら小道具やら何やらを急いで持ち上げ、拓海とマルオと俺とで蒼ちゃんの後を追った。