「あ、がっくん。だよねー、やっぱインパクトだよねー。次はどんなカッコで出ようかなぁ」

 蒼ちゃんが近づいてきた俺の肩に腕を回した。

 「イヤイヤイヤ。次は真剣に撮ろうや」

 拓海が、明らかに何かを企んでいる蒼ちゃん向かって大きく首を左右に振った。

 「オイオイオイオイ。前回だって真剣にやってたよ。ただ、顔がボコボコだっただけで」

 『前がふざけてたみたいに言うなよ』と蒼ちゃんが拓海を軽く小突いた。

 「だから、次は顔のコンディションを崩すことなく、普通に撮ろうって‼ インパクトで目立つのなんか一瞬だよ。そんなのすぐに消えちゃうよ。有名人だってそうだろ? イロモノは簡単に消えてくじゃん」

 拓海が蒼ちゃんを小突き返した。