3人で盛り上がっていると、

 「ねぇそれ、俺も混ぜてよ」

 前の席の拓海がくるりと振り向いた。

 「お前、監督になるんだろ? 俺、役者になるんだ。だから、俺も撮影に参加したい」

 蒼汰の様に『役者になる』と言ってのける拓海はきっと、イケメンが故に何でも思い通りの人生を送ってきたのだろう。

 「イケメンの協力は大歓迎なんだけど、俺がなるのは監督だけじゃないのね。監督兼脚本家兼演出家兼編集ね」

 「兼務しすぎだろ。強欲だな」

 蒼汰の指摘に拓海が困り顔を作りながら笑った。

 「人生1度きりなんだから欲張るくらいで丁度いいんだよ。てことで、拓海も加入でいいよね? がっくん、マルオ」

 蒼汰がマルオと俺に同意を求める。

 「もちろん」「異議なし」

 マルオも俺も笑顔で快諾。