「ホントだよ。鏡見てから言えよ、蒼ちゃん」

 目尻の下がった拓海にホッとして、俺も蒼ちゃんに物申す。

 「そうだよ‼ がっくんだっていい味出してるじゃん‼」

 マルオも物凄く抽象的でザックリしたフォローを入れながら、俺の肩を持った。

 「…いい味。」

 何故かそれに拓海が反応してしまい、右手で口を覆いながら笑いを堪えた。

 「何味?」

 追い打ちをかけるように蒼ちゃんが拓海の顔を覗き込むと、

 『クククククッ』

 拓海と蒼ちゃんが目を合わせながら笑い出した。

 「…マルオのせいだ。マルオのせいで、俺が笑われている」

 頬っぺたを膨らませながらマルオを睨むと、

 「えぇー‼ 俺が悪いのー?」

 『そんな目で見ないでよー』と言いながら、マルオが両手で俺の目を覆った。

 いつも通りとっ散らかってしまう俺らの話を、

 「とにかく‼ 拓海のバイト代は岳海蒼丸には持ち込まない‼ これからも仲良く楽しくやっていきましょう‼ ってことで、いい加減撮影しようよー」

 蒼ちゃんがカメラを片手に、うずうずしながら強引に纏めた。