「だったらその金は、拓海がよりカッコ良くカメラに映る為に、拓海の外見を整える為に使いなよ。拓海がよりイケメンになって注目されれば、結果的に岳海蒼丸の為にもなるんだしさ」

 それでも俺も、拓海の好意を受け取るのは違うと思う為、マルオに賛同。蒼ちゃんがそんな俺の肩を抱き、

 「がっくんの意見に賛成‼ 拓海が何もしてないからってお金出し始めたら、がっくんはどうなるんだよ。泣きの演技も出来ないのに、ぶっすんなんだよ⁉ がっくんを追い詰めるんじゃないよ、拓海‼」

 『ねぇ、ぶっすん』と俺に同意を求めながら、『酷いぞ、拓海‼』と拓海を責めた。

 「イヤイヤ。がっくんだって、そんなボッコボコな顔の蒼ちゃんに【ぶっすん】呼ばわりされたくないだろうよ」

 暗かった拓海の表情が、苦笑いと共に少し和らいだ。