4人で受験会場の教室へ入る。

 試験開始時間になり、全員一斉に裏返されていたプリントを捲りあげた。

 腹の調子など忘れるくらい、間違いなく今までの人生の中で1番集中した。

 でも、全回答を埋める事は出来なかった。

 いっぱい勉強した。精いっぱい頑張った。これでダメなら仕方がないと思う。

 試験からの帰り道の4人の会話は、全員が『自信がない』だった。

 でも、俺の自信がないと他の3人のそれとは違う気がする。だって、そもそものレベルが違っていたわけだから。入試前になっても、俺は3人に追いつけていなかったわけだから。

 多分俺は、A高には行けない。

 家に帰ると、トイレに直行し、便器に腰を掛けながら泣いた。