お腹を撫でながらA高に向かうと、校門の前で蒼ちゃんと拓海とマルオが待っていた。3人の方へ歩いて行くと、
「おはよー、がっくん。お腹、どうした?」
俺の様子に気付いた蒼ちゃんが、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「昨日からビッチビチやねん」
『漏らしたらゴメン』と3人に両手を合わせる。
「大丈夫かよ。薬飲んだ?」
『俺、胃腸薬持ってるよ』と拓海が鞄の中を漁る。
「下痢止めは飲んできたんだけど…一応貰ってもいい?」
拓海に『恵んで』と掌を向けると、拓海が『1回3錠な』と俺の手に薬を握らせた。そんな絶不調な俺の腹に、
「がっくん、コレ貼っておきな」
マルオはカイロを張り付けてくれた。
こんな時、仲間っていいなと思う。やっぱりこの3人と同じ高校に行きたい。
どうしてもどうしても、A高に受かりたい。