俺だって、3人と同じ高校に行けたらって思う。A高に入れたら、家族みんなが喜んでくれるんだろうなとも思う。

 「…落ちても責めんなよな」

 あまりにしつこい3人に根負けしたのもそうだけど、A高に受かれば漏れなく全員がハッピーな訳で。だから、恐らく人生最初の難関であろうこの荒波に、立ち向かってやろうと思った。

 「落ちたらお仕置きじゃ」

 蒼ちゃんが笑うと、

 「蒼ちゃんが落ちたりして」

 そんな蒼ちゃんを拓海が意地悪な顔をして笑った。

 「それな。俺、私立狙いだったから、3教科しか勉強してないからな」

 『捨てた理科と社会を拾わねばならん』と蒼ちゃんが溜息を吐いた。

 「俺、ゴリゴリの理系だから、国語と英語が実はやばいー」

 蒼ちゃんの隣でマルオも眉を顰めた。