「がっくんてさ、受験の為に塾とか行かないの?」

 蒼ちゃんが俺の頭をポンポンと撫でた。

 「行くに決まってるじゃん」

 『俺はお前らと違って、塾通いしてやっとD高なの!!』と蒼ちゃんと拓海とマルオに顰め面を向ける。

 「塾に行くならA高狙えよ。金かかってるんだから」

 拓海が俺の眉間に入る皺を無理矢理伸ばした。

 「まぁ、A高目指して勉強してれば、D高には受かるもんね。大は小を兼ねるよね」

 マルオが拓海に同調すると、

 「じゃあ、やっぱり第一希望はA高でいいって事だよね。結果、D高には行ける事になるわけだから」
 
 蒼ちゃんが強引に話を纏めた。

 「『じゃあ』じゃねぇよ。何その結論」

 しかし、全く承服出来ない。