「生まれ変わっても、俺はサバちゃんの子どもなんだよなーって思うとさー……」

 寂しそうな蒼ちゃんの目の奥に暗がりが掛かる。

「やっぱり嫌だ? まぁ、産んであげられるかもまだ分からないけど」

「生まれ変わって、サバちゃんと全く関わりのない人生を送るくらいなら、サバちゃんの子どもとして産まれたい。……何で俺、死んじゃったんだろ。死ななかったら、今も岳海蒼丸で楽しく活動も出来てて、サバちゃんとだって、年の差一回りで済んだのに。親子じゃなくて、他人でいられたのに」

 蒼ちゃんが悔しそうにしながら、拳で自分の太腿を叩いた。

「……それって……」

 蒼ちゃんの言葉が引っかかって、動揺してしまう。

 年の差が一回りでいたかった。私と他人でいたかった。と、言うことは……。