「だって、これからのことをちゃんと話し合わないと」

 唐沢の家泊が決定事項の様に話す唐沢。

「……イヤ。まぁ、そうですけど。……ちょっと待って。【始発で帰れ】って、明らかに私に負担が掛かっているような……」

「あ、気付いたか。次は俺がそっちに泊まりに行くから、それでチャラってことで良くね?」

 唐沢が『フッ』と息を吐いて笑った。

「……あの、唐沢さん。私とお付き合いをしてくれるのでしょうか?」

 36歳になり、何事にも慎重になっている私は、『1泊したくらいで彼女ヅラすんなよ』など言われたくない為、勘違いを起こさぬよう、キッチリ確認したい。

「よろしくお願いします」

 唐沢が微笑みながら頷いた。

 唐沢が、私の彼氏になってしまった。