「……あの、食べながらでもいいですか? ここの料理、本当に美味しいから冷めちゃうともったいない」

 千秋さんが上目使いでお伺いを立ててきた。

「もちろんもちろん。千秋さんのパスタ、冷めてないですか? 大丈夫ですか?」

 コクリコクリと首を縦に振ると、

「ここの料理は冷めても美味しいんですよ。ただ、温かいうちに食べた方がより美味しいってだけで」

 千秋さんが自信満々な笑顔で自分の彼氏の店の料理を自慢した。

「惚気られたー。言われなくても、ここの料理が美味しいことくらい私だって知ってるのにー。いただきまーす」

 幸せいっぱいな千秋さんに嫉妬を爆発させると、フォークに大量のパスタを巻き付け、口いっぱいに頬張ってやった。