「……あの、奢らなくていいですからね? 謝って貰わなきゃいけないことも何もありませんし」

 どうしてこんなことになっているのかサッパリ分からないので、取りあえず意味不明な部分の事前削除を試みる。

「イヤ、あるんですよねー。それが」

 そこにグラスと水を持ったタケくんが再登場。

「あるんですよ、それが」

 タケくんの言葉に肩をすくめた千秋さんが、申し訳なさそうに『本当にごめんなさい』と頭を下げた。

「あるんですか? 何が?」

 この人たち、私の知らないところで何をしてくれたのよ? と、顔を引き攣らせていると、

「悪気は全くなかったんだけどね。むしろ良かれと思って言っただけなんだよね、千秋は」

 千秋さんを庇う様に、セットのサラダを手にした白木さんが、『パスタもすぐに持ってくるね』と言いながら現れた。