「お腹減ったなー。何食べようかな」

 きゅるきゅると鳴るお腹を摩りながら、ふと唐沢に連れて行ってもらったイタリアンが頭を過った。

「食べたいな。行きたいな。行けるかな。行ってみよう‼」

 スマホでMAPを確認し、記憶を辿りながら【SHIRAKI】を目指す。

 次回作が決まり、調子が良い今の私なら、迷わず着ける気しかしない。

 自身に満ち溢れながら歩いていると、

「ほらね♪」

 見事に【SHIRAKI】の看板を見つけることが出来た。

 ダメな時は何をやってもダメなのに、上手く行くときは全てのことが面白いほどに上手くいく。

 ご機嫌に【SHIRAKI】のドアを開けると、

「あー‼ お久しぶりです。いらっしゃいませー」

 私のことを憶えていてくれたタケくんが、笑顔で出向かえてくれた。