「イヤ、秘密以前の問題だと思う。若さの問題だよ。蒼ちゃんは、中学生で若かったから、みんなに披露出来たんだよ。若気は至っていいけど、老気の至りは許されないんだよ。恥をかき捨てられるのも若いうちだけ。歳を取ると、恥ずかしい真似はしちゃいけないの。大人だって、失敗するし、上手に立ち上がってる人もたくさんいるけど、そういう人は【恥ずかしくない失敗】をしてるの」

 蒼ちゃんに、胸の痛みを悟られないように、平然と話を続ける。

「サバちゃんの言ってることは分かる。でも、頭硬すぎなんだよなー。周りの目を気にし過ぎ。サバちゃんが恥ずかしいと思ってることって、傍から見たらそんなにたいしたことじゃないのに」

 納得のいかない蒼ちゃんは、『わっかんないなぁ。イヤ、分かるんだけど、分かんないなぁ』と頭を掻いた。