岳海蒼丸ファンの私は、彼らがルームシェアをしていたことを、ネットの情報を見て知っていた。

 蒼ちゃんも、生きてみんなの家に帰りたかっただろうに……。

 大好きな仲間に会わせてあげたいな。本当に私がお母さんになれるのなら、産んであげたい。

 チラリと唐沢の顔を見上げる。

「俺も電車乗るし。ウチこの辺じゃないし。……人の顔、ジロジロ見るのやめてもらえます?」

 唐沢にそっぽを向かれてしまった。

 蒼ちゃん、やっぱ唐沢とどうこうなるのは本当に無理だよ。だって……、

「酔った勢いでこの際言ってしまいますが、唐沢さん、日本語がキツイっていうか、強いです。そりゃあ、ジロジロ見ていた私が悪いんですけど、『そんなに見られると恥ずかしいです』くらいの言い方をしてくれたらいいのに……。怖いんですよ」

『怖い』と濁してみたけれど、本当は不快。