「二人、仲良いね。なんかイイ感じ。付き合わないの? 夏川さん、彼氏いるの? 唐沢、いまフリーだよ」

 自分は彼女持ちなのに、フリーの唐沢を憐れんでか、白木さんが謎に唐沢と私をくっつけようとした。

「唐沢さんとはただの同僚です。しかも、私の職場は東京じゃなので、唐沢さんとは月イチでしか会いません。白木さん、旅行がてらに私の職場に来てみますか? 唐沢さんと私の殺伐とした空気、吸ってみます?」

 蒼ちゃん然り、白木さん然り、千秋さん然り。本当にもう勘弁してほしい。

「……あぁー。そういうことかぁ。お前は30にもなってまだそんな事してるのか。コイツ、昔からそうなんだよ。意識しちゃうと思ってることと正反対のことしちゃうの。いつまで経っても変わんないなぁ。若かったらそんな態度も『可愛い』で済むけど、30でそれは痛いわ」

 白木さんが、蒼ちゃんとが言っていたことと同じ様なことを言いながら、『ないわー』と唐沢に白い目を向けた。