「……本当だ。多分同じヤツですね。このシャンプー、匂いが甘ったるくなくて好きなんですよね」
同じシャンプーを使っているという、どうでも良い共通点を確認し終わり、そっと唐沢の頭から顔を離すと、
「だよね。俺も好き」
と、唐沢が懸んだまま上目使いで私の顔を見た。
ワードがワードだけに、もちろん『今使っているシャンプーが好き』って言っていることも分かっているのに、ドキっとしてしまった。
蒼ちゃんのせいだ。蒼ちゃんのせいで、好きでもない唐沢を変に意識してしまう。
別に嫌いなままで良いのに。好きになんかなりたくもないのに。だってコイツ、モラハラ男だし‼ と、慌てて唐沢から視線を逸らすと、
「……行くか」
唐沢がまた私の手首を掴んで歩き出した。
さっきお願いしたからか、少しゆっくり歩いてくれる唐沢にドキドキしてしまう自分が、不本意でならない。
同じシャンプーを使っているという、どうでも良い共通点を確認し終わり、そっと唐沢の頭から顔を離すと、
「だよね。俺も好き」
と、唐沢が懸んだまま上目使いで私の顔を見た。
ワードがワードだけに、もちろん『今使っているシャンプーが好き』って言っていることも分かっているのに、ドキっとしてしまった。
蒼ちゃんのせいだ。蒼ちゃんのせいで、好きでもない唐沢を変に意識してしまう。
別に嫌いなままで良いのに。好きになんかなりたくもないのに。だってコイツ、モラハラ男だし‼ と、慌てて唐沢から視線を逸らすと、
「……行くか」
唐沢がまた私の手首を掴んで歩き出した。
さっきお願いしたからか、少しゆっくり歩いてくれる唐沢にドキドキしてしまう自分が、不本意でならない。
