それでも3杯は少ない。
「唐沢さん、3本立てた指を素早く左右に振ってみてください」
「は?」
『何言ってんだ、このババア』とでも言いたげな表情をしながら、言われた通り指を左右に動かす唐沢。
「見える‼ 私には見える‼ 6本に見える‼」
お酒の量を増やそうとする私の頭を、
「残像でそう見えたとしても、指は5本しかないんだから物理的に6は有り得ない。バカか」
唐沢が3本の指で突いた。その指で自分の鼻を掻いた唐沢が、
「……あ、使ってるシャンプー一緒かも」
自分の指を嗅ぐのを辞め、直に私の頭をクンクンし出した。
「絶対一緒だ。ホレ」
そして、膝を曲げて自分の頭を差し出す唐沢。私も嗅げということだろう。なんでこんな道端で唐沢の髪の匂いを確認しなきゃいけないんだと思いながらも、唐沢の頭部に鼻を寄せる。
「唐沢さん、3本立てた指を素早く左右に振ってみてください」
「は?」
『何言ってんだ、このババア』とでも言いたげな表情をしながら、言われた通り指を左右に動かす唐沢。
「見える‼ 私には見える‼ 6本に見える‼」
お酒の量を増やそうとする私の頭を、
「残像でそう見えたとしても、指は5本しかないんだから物理的に6は有り得ない。バカか」
唐沢が3本の指で突いた。その指で自分の鼻を掻いた唐沢が、
「……あ、使ってるシャンプー一緒かも」
自分の指を嗅ぐのを辞め、直に私の頭をクンクンし出した。
「絶対一緒だ。ホレ」
そして、膝を曲げて自分の頭を差し出す唐沢。私も嗅げということだろう。なんでこんな道端で唐沢の髪の匂いを確認しなきゃいけないんだと思いながらも、唐沢の頭部に鼻を寄せる。
