「待って‼ 紺のスーツの方‼」
走りながらスマホの持ち主の特徴を叫んでみるが、彼の足が止まる気配はない。
それもそのはずだ。見渡すと、紺のスーツの人間はかなりいて、まさか呼ばれているのは自分だとは誰も思わないのだろう。
もう、彼に追いついて手渡すしかないと、バトンの様にスマホを握りしめ、必死で走る。
彼が渡ろうとしていた横断歩道の信号が運よく赤になってくれ、足止めしている彼に追いつくことに成功。
スマホの持ち主の背中をポンポンと叩くと、彼がこっちを見た。
「……ス……マ、ホ……。落とし……ま、し、た……よ……ゴホゴホゴホゴホゴホ」
彼にスマホを差し出しながら、豪快にむせる。うっかり吐きそうになる始末。
普段、運動をせずにダラダラ生きている36歳が全力疾走すると、こんな目に遭うのかと涙目になった。
走りながらスマホの持ち主の特徴を叫んでみるが、彼の足が止まる気配はない。
それもそのはずだ。見渡すと、紺のスーツの人間はかなりいて、まさか呼ばれているのは自分だとは誰も思わないのだろう。
もう、彼に追いついて手渡すしかないと、バトンの様にスマホを握りしめ、必死で走る。
彼が渡ろうとしていた横断歩道の信号が運よく赤になってくれ、足止めしている彼に追いつくことに成功。
スマホの持ち主の背中をポンポンと叩くと、彼がこっちを見た。
「……ス……マ、ホ……。落とし……ま、し、た……よ……ゴホゴホゴホゴホゴホ」
彼にスマホを差し出しながら、豪快にむせる。うっかり吐きそうになる始末。
普段、運動をせずにダラダラ生きている36歳が全力疾走すると、こんな目に遭うのかと涙目になった。
