歩道の隅っこで通行人の邪魔にならない様にしゃがみこむ。
遅刻したらどうしよう。やっと獲れた、初めてもらえた賞の授賞式なのに。
不安の余り、スマホを強く握りしめていると、唐沢からの折り返しがきた。
「はい、夏川です」
即座にスマホを耳に当てると、
『だから、FACE TIMEで掛けてるだろうが。俺にババアの耳の穴を見せるな。何。凄い真っ黒。暗黒じゃん。洞窟なの? 夏川さんの耳って』
相変わらず口の悪い唐沢がの呆れた声がした。
FACE TIMEでって言われていたのを忘れていたわけではないが、アナログババアな私は電話が掛かってくると、条件反射で耳に当ててしまう。
「……すみません。汚いものをお見せしてしまいました」
慌てて耳からスマホを外し、画面に向かって頭を下げる。
唐沢の物言いは本当に許せないけれど、今私が頼れるのは唐沢しかいない。
遅刻したらどうしよう。やっと獲れた、初めてもらえた賞の授賞式なのに。
不安の余り、スマホを強く握りしめていると、唐沢からの折り返しがきた。
「はい、夏川です」
即座にスマホを耳に当てると、
『だから、FACE TIMEで掛けてるだろうが。俺にババアの耳の穴を見せるな。何。凄い真っ黒。暗黒じゃん。洞窟なの? 夏川さんの耳って』
相変わらず口の悪い唐沢がの呆れた声がした。
FACE TIMEでって言われていたのを忘れていたわけではないが、アナログババアな私は電話が掛かってくると、条件反射で耳に当ててしまう。
「……すみません。汚いものをお見せしてしまいました」
慌てて耳からスマホを外し、画面に向かって頭を下げる。
唐沢の物言いは本当に許せないけれど、今私が頼れるのは唐沢しかいない。
