「もういいって。つか、マルオはさぁ、クラスでは目立ってないかもだけど、おとなしいタイプじゃないって、俺分かってるよ。むしろ、色んな事に興味があって色々チャレンジしたい人間でしょ? だから、俺たちと一緒に撮影してみようと思ったんでしょ? 表に出してないだけで、基本的な性質は俺もマルオも一緒だと思う。マルオもはっちゃければ、俺になると思う」

 「イヤ、それはない。」

 マルオが蒼ちゃんの『俺とマルオは同類論』を秒で否定した。

 「俺、蒼ちゃんみたいな才能ないもん。面白い事だって言えないし。…でもさ、この撮影はもう終盤だから、もしまた何か撮影する時はさ、何か手伝えないかな。俺、美術部だから物づくり得意だし、親が建築事務所やってるから廃木材とか手に入るし、小道具とか、ちょっとしたものなら大きめの物もわりと作れるよ。そういう部分だったら、もしかしたら役立てるかもしれない」

 マルオのふいの申し出に、蒼ちゃんは目を大きく開き、漫画の主人公の様に黒目をキラキラ輝かせた。