この世にいない蒼ちゃんに何が出来るの。無責任なことを言わないでよ。という気持ちもあるけれど、蒼ちゃんの『味方だよ』は素直に嬉しくて、心強かった。だから、
「モラハラですよ、唐沢さん。いい加減訴えますよ」
初めて唐沢に言い返してみた。
私が反論するとは思っていなかっただろう唐沢は、一瞬目を大きく開いて驚いた表情を見せたが、
「どうぞ。夏川さん、精神を病んで通院しているわけでも、出社拒否をしてるわけでもないんでしょう? 会社は単に夏川さんの我儘とみなしますよ。仮に病院からうつ病の診断をされたとしても、それと俺が関係あるのかを証明するのって、かなり難しいからね。他に原因が全くないって言える? 周りがみんな結婚出産していて、自分だけが出来ていないストレスは因果関係がないとは言い切れないでしょ? 訴えられたところで、俺の担当が変わるだけで痛くも痒くもない。むしろこんな田舎に毎月来なくて済むから有り難いわ。俺は本社勤務の総合職。夏川さんは地方勤務の一般職。どこにも動かせずに主張だけは一丁前のオバサン、会社としては厄介なお荷物だろうね」
私を傷つける言葉をわざと選んでいるかの様に、刺々しい言葉を次々と浴びせ、私の心を抉った。
「モラハラですよ、唐沢さん。いい加減訴えますよ」
初めて唐沢に言い返してみた。
私が反論するとは思っていなかっただろう唐沢は、一瞬目を大きく開いて驚いた表情を見せたが、
「どうぞ。夏川さん、精神を病んで通院しているわけでも、出社拒否をしてるわけでもないんでしょう? 会社は単に夏川さんの我儘とみなしますよ。仮に病院からうつ病の診断をされたとしても、それと俺が関係あるのかを証明するのって、かなり難しいからね。他に原因が全くないって言える? 周りがみんな結婚出産していて、自分だけが出来ていないストレスは因果関係がないとは言い切れないでしょ? 訴えられたところで、俺の担当が変わるだけで痛くも痒くもない。むしろこんな田舎に毎月来なくて済むから有り難いわ。俺は本社勤務の総合職。夏川さんは地方勤務の一般職。どこにも動かせずに主張だけは一丁前のオバサン、会社としては厄介なお荷物だろうね」
私を傷つける言葉をわざと選んでいるかの様に、刺々しい言葉を次々と浴びせ、私の心を抉った。
