僕等の、赤。

「俺が見たくて、サバちゃんが見せたくないのは、マルオが発信した言葉じゃない」

 蒼ちゃんが、私の逃げ道を塞いだ。

 そう。蒼ちゃんが見たくて、私が見せたくないものは、マルオくんに寄せられた言葉の方だ。

 しぶしぶマルオくんのSNSを検索し、クリックする。

 そこに書かれていたコメントに、蒼ちゃんが唇を噛んだ。

「……俺らの大事なマルオを、否定すんじゃねぇよ」

 ぐっと拳を握りしめ、パソコンの画面を見つめる蒼ちゃん。

 マルオくんのSNSには『才能がある方が死んで、凡人が生き残る惨事』『蒼ちゃんを犠牲にしてまで生きたかったのか』『普通、才能がない自分の命を投げ打って、天才を助けない?』など、心無い言葉が並んでいた。