僕等の、赤。

 ブツブツになった私の腕に気付いた蒼ちゃんが、

「うわー。まじなヤツやん。サバちゃん、ボッツボツやん。とりあえず、唐沢の話は置いておこう。岳海蒼丸のHP見せてほしいなー、サバちゃん」

 これ以上唐沢の話をするのは危険と判断したのだろう。話を変えた。

 でも、変えられた話題も、出来ることなら触れたくない。

 私は岳海蒼丸が好きなので、彼らの情報はネットで結構収集出来ている。

 マルオくんの状況を知らないだろう蒼ちゃんに、知らないままでいて欲しい。

 きっと自分を責めるだろう。悲しい思いをするだろう。蒼ちゃんに、そんな思いをさせたくない。

 だけど、断る理由が思いつかない。『傷つくよ。それでも見るの?』とでも言えばいいのか。そう言われたところで、たいていの人間は『見る』と答えるだろう。