翌日、蒼ちゃんの告別式に出るために昨日と同じ会場へ。

 マルオは相変わらず泣いていて、拓海は今日も涙を見せない。

 粛々と告別式は執り行われ、蒼ちゃんは火葬場に運ばれて行った。

 蒼ちゃんがいなくなった会場の外に出て行く拓海の姿が見えて、なんとなく後を追う。

 拓海は上を見上げて空を眺めながら立っていた。

 「拓海」

 声を掛けると、

 「いい天気だね。綺麗な青空」

 拓海が眩しそうに目を細めた。

 「そうだね。綺麗な青だけど、青は蒼ちゃんじゃなくて、拓海のイメージ」

 拓海の傍に行き、一緒に空を見つめる。

 「お前らが勝手に俺に押し付けたイメージカラーね。まぁ、蒼ちゃんって言ったら赤だもんね」

 拓海がフッと息を吐いて笑った。