「俺らは何を見せられているのだろう」

 うらやましすぎて眠たくなっている俺の肩に、

 「帰ろうか」

 と拓海が『ポン』と手を置いた。

 「待って待って」

 やる気を根こそぎ削がれた俺らを『来たばっかりでしょうが』とマルオが止める。

 「よーし‼ 揃ったなー‼」

 そこへ、美女と手を取り合った蒼ちゃんが合流。

 「『よーし‼』じゃないよね。そちらの美人さんはどちら様なのでしょうか?」

 『お前だけだよ、気合入ってるの』的な視線を蒼ちゃんに飛ばす。俺にはもう、気合どころか気力がなくなった。