「……ボイスレッスンかぁ。どうせ時間有り余ってるし、いいかもね」

 頷きながら蒼ちゃんの案に乗っかると、

 「頑張れ、がっくん」

 蒼ちゃんが嬉しそうに笑った。

 「俺、ちょっと黒田さんに相談してくる」

 早速マネージャーさんに電話をしようと、自分の部屋に戻ろうとした足を止め、

 「ありがとうね、蒼ちゃん」

 俺の声を褒めてくれた事、仕事のアドバイスをくれた事のお礼をすると、

 「なんだよ、もう」

 蒼ちゃんは、恥ずかしそうに少しだけ頬を赤くした。

 髪の毛が赤い蒼ちゃんがほっぺたを赤らめてしまうと、頭部全体が赤くなってしまう為、『なんかトマトみたいだな』と心の中で笑いながらリビングを出た。