「ごめん、蒼ちゃん。八つ当たりしてごめん。みんなに嫉妬して自暴自棄とか、ダサいよね」

 苦笑いのような、空笑いのような、変な笑顔を浮かべると、

 「……がっくん。俺、提案があるんだけどさ。やりたくなかったら無視してくれて全然良いんだけど」

 蒼ちゃんが仕事の手を止めて、俺の顔を見た。

 「何?」

 「俺さ、岳海蒼丸の舞台のナレーション、いつも拓海じゃなくてがっくんにお願いしてるじゃん。何でだと思う?」

 蒼ちゃんは、何故か提案ではなくクイズを出してきた。

 「拓海の出番が多すぎるから?」

 「だったらマルオに頼んだっていいじゃん」

 素直に回答してみたが、外れていたらしい。