「つまり、AOでFラン大学に行けと?」

 蒼ちゃんの言いたい事を悟り、蒼ちゃんを白い目で見ると、

 「そうは言ってないじゃん。『AOで行けるところに行く手もあるぜ』っていう…」

 蒼ちゃんが、俺の視線に目を合わせない様にしながら言い訳をした。

 「俺の頭でAOで行ける倍率低めの大学って、Fランじゃん‼」

 今度は近くに転がっていた蒼ちゃんの枕を蒼ちゃんに投げつけた。

 蒼ちゃんに腹が立っているわけではない。Fラン大学にしか行けないくらいの頭しかない自分が悪いのだから。でもイラっとした。迫りくる受験にイライラした。

 「俺はもう少しいい大学に行きたいから、指定校が無理なら公募推薦狙うわ」

 進学したくないと騒いでいたくせに、受験が余裕な拓海はAO入試は受けないらしい。

 「俺も一応推薦は狙うけど、ダメなら一般で試験受ける。がっくんも勉強頑張ろうよ‼」

 頭の良いマルオもFラン大学はお断り。

 「するよ、勉強‼ 俺が勉強しないでどうやって大学に行くんだよ‼ 嫌だー‼ 受験、嫌ー‼」

 頭が悪いくせにFラン大学は行きたくない、我儘極まりない俺は発狂。