「夢はね、例え破れてしまったとしても、自立が出来る術のある者が追って良いものだと、私は思っている」
顔を下に向けたままの俺らの頭上に、拓海のお父さんの言葉が降ってくる。
「夢に向かって信念を持って一途に努力する事は、素晴らしい事だと思う。でもね、周りの意見に耳を傾けられなくなるほど視野を狭めてはいけない。
勉強をするって、無駄な事ではないだろう? でも拓海は勉強する時間が足枷になると考えていた。拓海は昔から、少し頑固なところがあってね、たまに物事を柔軟に考える事が出来なくなる時があるんだ。そんな時は、容赦なく拓海を叱ってやってほしい。
拓海は良い友達に恵まれた。これからも拓海のことを宜しくね。私は岳海蒼丸のファンだから、4人の事を応援するよ」
「...え」
拓海のお父さんの言葉に、4人一斉に顔を上げた。