「何言ってるんだよ‼ 蒼ちゃんに俺の将来を決める権利なんかないだろ‼ やっぱり蒼ちゃんは、俺の味方じゃないんだな‼」

 拓海が蒼ちゃんの胸倉に掴みかかった。

 「味方だよ‼ 俺ら3人とも拓海の味方だよ‼」

 蒼ちゃんが胸倉にある拓海の手を握った。

 「じゃあ、何で⁉」

 蒼ちゃんに裏切られて悲しいのか、怒っているのか。泣きそうにも見える目をしている拓海をじっと見た後、蒼ちゃんは拓海のお父さんに視線を移した。

 「僕は正直、初めから拓海のお父さんと同意見ででした。でも、僕らにとっても拓海は大切で、大好きな仲間です。拓海を応援したいです。拓海に廻ってきたチャンスは、全部掴みに行って欲しいです。…だから、大学は4年では卒業出来ないかもしれません。8年掛けてでも卒業しますから、どうか拓海の夢を、見守っては頂けないでしょうか」

 蒼ちゃんが、拓海のお父さんに向かって深々と頭を下げ、腰を折り曲げた。