「拓海のそういうトコ、好きだけど。俺は。でも、心配させんなよ。電話も繋がらないから結構焦ったんだからな。つか、拓海の事を短気だと思った事ないけど。何しても笑って流してくれるじゃん。今回はさ、どうしても周りの意見を飲めなかっただけだろ? まぁ、だとしても、俺も拓海の親と同じ事をもう1度言うんだけど」

 蒼ちゃんが『フッ』と息を漏らして笑うと、『とりあえず、俺の部屋に行こうって』と肘で拓海の腕を突いた。

 「みんな、ごめんな」

 拓海は歩こうとせずに、マルオと俺にも手を合わせた。

 「本当いい性格してるよ、拓海は。さすがイケメンだわ」

 拓海の潔さに俺も噴き出しながら『歩け歩け』と拓海の背中を押と、

 「俺、割とネチネチしてるタイプだから、拓海が羨ましいわ」

 マルオも笑いながら、俺らの後を歩いた。