「卵焼きとウインナー、多めに焼いておいたから、蒼ちゃんの部屋に持って行ってみんなで摘まんで」

 花さんが、卵焼きとウインナーが入った皿と、ペットボトルのお茶と、4人分のカップが乗ったトレーを蒼ちゃんに渡した。

 「ありがとうございます。なんか、すみません。お姉さん」

 蒼ちゃんが言う前に、拓海が花さんにお礼をしてしまうから、

 「だから、拓海のお姉さんじゃない。蒼ちゃんの姉‼」

 拓海の後頭部を軽く突いてやった。

 「やめてよ、がっくん。食事中に頭揺らさないで」

 俺の手を払いながら、モリモリおにぎりを食べる続ける拓海を目にし、

 「…落ち込んでないやん。食欲旺盛じゃん」

 『イヤ、元気で 何よりなんだけどさ』と、マルオはしょっぱい顔で笑った。