「俺も進学しなきゃなぁ。事務所に入る事自体は多分、オカンもオトンも反対しないと思うけど、『保険は絶対に掛けろ』って言われるだろうからなぁ」
高校受験を思い出し、遠い目をしながら『進学しようにも頭の調子がなぁ。どこに行けばいいの。どこなら入れてくれるの、俺の事』と呟く俺の隣で、
「俺、やっぱ大学行くの辞める。事務所に入れるなら大学には行かない。一刻も早く役者になりたい」
特進クラスの拓海が突然、進学しないと言い始めた。
「拓海―。俺たちの話、聞いてなかったのかよ。今、役者1本に絞るのはどうかと思う。
拓海には華があるし才能もあると思う。もちろん応援だってする。でもさ、売れるかどうかは博打だよ。何の保証もない。もしダメだった時の拓海の人生の責任を、誰が負うの?」
『早まりなさんな』と、マルオを宥めたばかりの蒼ちゃんが、今度は拓海の説得に掛かる。
高校受験を思い出し、遠い目をしながら『進学しようにも頭の調子がなぁ。どこに行けばいいの。どこなら入れてくれるの、俺の事』と呟く俺の隣で、
「俺、やっぱ大学行くの辞める。事務所に入れるなら大学には行かない。一刻も早く役者になりたい」
特進クラスの拓海が突然、進学しないと言い始めた。
「拓海―。俺たちの話、聞いてなかったのかよ。今、役者1本に絞るのはどうかと思う。
拓海には華があるし才能もあると思う。もちろん応援だってする。でもさ、売れるかどうかは博打だよ。何の保証もない。もしダメだった時の拓海の人生の責任を、誰が負うの?」
『早まりなさんな』と、マルオを宥めたばかりの蒼ちゃんが、今度は拓海の説得に掛かる。