「まぁ、分からんでもないわ。俺、引っ込み思案な人間って、絶滅してると思ってるし。女にさ『私、内気で言いたい事も言えないタイプなんだ』とか言われてもさ、このご時世SNSしてないヤツなんかいないじゃん。そいつのアカウント探してSNS見るとさ、ガンガン発信してたりするもんね。表で黙って裏でつぶやきまくりって、まじ萎むわ」

 拓海が蒼ちゃんの話に頷いた。

 「見栄を張るなよ。そもそもそんなに大きくないだろ。萎む余地あんのかよ。拓海のなんて、なめこみたいなモンだろ」

 が、蒼ちゃんは自力で戻した話を、また散らかしてしまう。

 「小さくてヌメヌメ」

 それが面白くて、マルオも被せてしまうから、

 「今も大事に包み込まれている」

 俺も乗っかって、拓海が着ていたパーカーのフードを拓海の頭に被せると、きゅうっと思いっきり紐を引っ張ってやった。