河野は。

私は、一昨年は2位で去年は3位。

悔しくて、毎日朝早く起きてランニングもした。

でも、いくら練習しても、吹奏楽部である私は運動部の子に勝てなかった。

「2人で取ろうぜ、1位」

顔を上げると、河野は目を輝かせていた。

「私は無理だよ」

「いや、行けると思う。運動部の奴らももう部活引退してる訳だし。文化部の松田にとっては有利だろ」

確かにそうだった。

でも、自信がない。

「松田ならできるよ」


河野の目はやっぱり輝いていて。

なんでだろう。

河野の褒め言葉には息苦しさを感じない。

中身が詰まってる感じがする。