主人公の『心春』は放課後、廃ホテルの庭でのんびりするのが好きだった。ある日10歳年上で小説家の『おじさん』と出会う。彼はスランプに悩み、ネタ探しのためここに訪れているらしい。彼の帰宅後、無口な『時田』という男子生徒とも出会う。

それから毎日その場所へ訪れると、いつもおじさんがいた。次第にふたりは仲良くなるが、幼馴染の『朋秋』はそれをよく思わなかった。

ある日おじさんに妻がいることを聞かされ、ショックを受けた心春は彼が好きなことに気づき、おじさんに告白する。おじさんは、妻がファンに殺されたことを言い、心春に青春しろと諭して別れを告げた。

10年後、朋秋と結婚間近の心春はたまたまおじさんの小説を見つける。そこで『おじさんは去年27歳で亡くなっていた』と知る。

彼の死の間際に書かれた小説には、タイムマシンで妻の死をなかったことにしたと綴られていた。実はおじさんの妻は心春で、おじさんの正体は10年後の時田だった。

おじさんの真意を知った心春は、胸の痛みを感じながらも懸命に生きることを決意する。