「それでは図書委員としては、わが校の歴史を発表ということでいいですか?」
 中央に座る委員長がそう叫んでも、誰も無関心で是も非もない。そこにいる世莉ですら『早く終わらないかなぁ』と心の中でつぶやくばかりだ。
 図書委員なんて月に一度、当番が回ってくるくらいであとは暇だと思っていたのに、文化祭では『何か』をしないといけないらしい。去年もやっていたらしいが、世莉も知らないしほとんどの生徒がそうだろう。ただやっている、程度で構わないのだが、それを形にするだけでもそれなりに労力は必要なわけで。
「それでは資料を集めてもらっていいですか? 縦割りで1組2組」
「はい――え?」
「集めた資料の集約を3組4組、それから――」
 立候補を求めたところで、進まないのが目に見えてるからなのだろう。委員長は勝手に分担を決めると、全員のブーイングを聞きながら「解散」と委員会を終わらせてしまった。