朝早くに家を出て、夜遅くに帰ってくる母の

背中を間近で見ている私にとっては…ね。

「なぁ、お前夢ないの?」

後ろから声をかけられ、慌てて振り返るとそ

こには同級生の神山太洋が立っていた。

「誰もが夢を持ってると思うなよ…!」

私は、少し強い口調で言った。

「ふーん、…なぁ、夢がないなら俺と見つけ

ようぜ。」

「…は?」

私は、ぶっ飛んだその台詞に私は怪しい目つ

きをし、一歩後ずさりした。

「そんな警戒するなって…!」

「警戒するでしょ!…で、どうやって見つけ

るの…?」

「おっ!少しは興味あるんだ。」

悪戯気に笑われたのを見て、私は顔を赤くし

た。