走ってはいけない廊下を走り抜けた。

生暖かい風が吹き、長い髪が揺れ、走る度に

汗が垂れ落ちる。

そして、走りきって着いた場所は屋上だっ

た。
「はぁ、はぁ、ここまでくれば大丈夫でし

ょ…!」

私は少し背を伸ばし、息を整えた後屋上から

見える景色を一人眺めていた。

「見つからないものは、見つからないんだよ

ー!!」

空に向かって叫ぶと、私は地面にしゃがみこ

んだ。