ここは、日本の東京・新宿。





「澤野ミリカ」という、

父親が日本人、母親がイギリス人のハーフの

中学1年生の少女がいた。





今日は、7月15日(金)。





昼休憩のチャイムが鳴る。





〝キーンコーンカーンコーン〟





「いただきま~す!」





「だから!魔法はあるんだって!!」





ミリカが友達の「園田聖子」に言った。





「はい。分かった分かった」

「もう!信じてないな~!!」

「いや、ミリカ、もう中学生よ。良い加減、

現実とフィクションの違いぐらい解らないの?」

「そういう聖子こそ、

何で〝現実世界に魔法がない〟って説明出来るの?」

「いや、だって、あんたも、小学生の頃から

理科の授業で〝物理の法則〟を教わってるでしょ?」

「そうだけど・・・でも、聖子だって、

その〝物理の法則〟が何であるのか解らないでしょ?」





「う~ん・・・・・・」

「じゃあ、〝物理の法則〟があるのは当たり前じゃないし、

〝魔法〟も、〝絶対ない〟とは言いきれないじゃない!!!」

「・・・・・・そうだけど、でも、何でそんなに魔法を信じたいの?」

「そりゃ、だって、便利だし、何より、凄く夢があるじゃん?!」





「ん~・・・確かに、夢はあるけど、

そこまで〝どうしてもあって欲しい〟とまでは思わないし、

便利かもしれないけど、私達の生活には、機械があるから、

それで充分、不自由はしないかな~?」

「・・・・・・」