マンションに着くと10時少し前だった。理奈は玄関まで迎えに来てくれた。嬉しかった。
このごろは理奈とは週末に一緒に寝ているのでいい感じにはなっている。
遅くなっても風俗に行って来たのではと疑うこともない。顔を見ればそれが分かる。
「おかえりなさい」
「ただいま。少し疲れた」
本当にひどく疲れていたので、溜息と共につい口に出てしまった。理奈の前で疲れたと言ったのは初めてだった。
これまで疲れていてもそんな素振りを見せないように気をつけていた。だから理奈には今日の僕は元気がなくてとても憔悴しているように見えたのかもしれない。
「お風呂、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。一息ついたらすぐに入るから、もう休んで」
僕がソファーに座るとお茶を淹れてくれた。
一休みするとバスルームへ行ってバスタブに身体を沈めた。
理奈はいつものようにソファーで僕があがるのを待ってくれている。
理奈がだいぶ先に入っていたようで、お湯は少しぬるめになっている。今日はぬるめが心地よい。
「お背中流しましょうか?」
頭を洗っていると外から理奈が聞いて来た。ソファーで待っているはずが、こんなことは始めてだ。どうしようか、少し迷った。
「悪いけど流してくれる?」
理奈が入ってきた。裸になっていた。二人でお風呂に入るは初めてで驚いてじっと見てしまう。
理奈はもう僕に裸を見られても緊張しなかった。落ち着いていて、タオルに石鹸をつけて、背中を洗ってくれる。
アルコールが少し身体に残っているせいか、すごく心地よい。
理奈には悪いが、ソープで背中を洗ってもらっているような錯覚に落ちいってしまう。
心地よい! 癒される! 理奈に洗ってもらっている!
幸せな気持ちになる。ほっとして疲れが取れていくような気がする。
「一緒に浸かってくれる?」
「はい」
一緒にバスタブに浸かる。理奈を僕の前に招き入れる。お湯が勢いよく溢れる。そして後ろから軽く抱く感じで手を廻す。
理奈は髪をアップにして留めているのでうなじが目の前にある。きれいな白いうなじだ。思わず口づけをした。理奈は首をすくめたが何も言わなかった。
「ありがとう、洗ってもらって、いい気持ちだった、疲れがとれる」
「喜んでもらえて嬉しいです」
「上がろう」
浴室を出ると理奈がバスタオルで背中を拭いてくれる。僕もお返しに拭いてあげる。
拭き終わると「ありがとう」といって、理奈に軽くキスした。
「頼みごとがあるけど聞いてくれる」
「何ですか?」
「今夜は理奈さんの布団に入れてもらえないかな?」
「良いですよ、喜んで」
「理奈さんを抱きたいとかいうよりも、一緒にいたい、いてほしい」
「お安い御用です」
僕は理奈について部屋に入った。そして布団に入って上向きに寝転んだ。理奈の匂いが部屋に満ちている。
「疲れているみたいですね」
「ああ、疲れた」
「背中を撫でてあげましょうか? うつ伏せに寝てください」
向きを変えると理奈が背中をゆっくり撫でてくれる。心地よい。
「いいもんだね、背中を撫でてもらうのは」
「そうです。とっても気持ちいいんです。いつもしてくれているではありませんか」
「そういえば、してもらったのはこれがはじめてだ。ありがとう。癒される! なぜ疲れたのかって聞かないの?」
「言いたくないと思うし、それを聞いても私は何もしてあげられないから」
「こうして撫でて癒してくれている。それで十分だ、本当に十分過ぎるくらいだ。ありがとう」
「亮さんはいつも私をこうして癒していてくれています。これくらいさせてください」
「そうか、ありがとう。このままここで眠らせてくれれば、もう言うことはない」
僕はあまりにも気持ち良くてすぐに眠ってしまった。
ありがとう。理奈! 癒された!
朝、目が覚めたら理奈は布団にいなかった。
もう朝食の用意をしている。取り残されたようで少し寂しい。
目覚めた時も背中を撫でてほしかった。でもこれは贅沢で我が儘だ。
このごろは理奈とは週末に一緒に寝ているのでいい感じにはなっている。
遅くなっても風俗に行って来たのではと疑うこともない。顔を見ればそれが分かる。
「おかえりなさい」
「ただいま。少し疲れた」
本当にひどく疲れていたので、溜息と共につい口に出てしまった。理奈の前で疲れたと言ったのは初めてだった。
これまで疲れていてもそんな素振りを見せないように気をつけていた。だから理奈には今日の僕は元気がなくてとても憔悴しているように見えたのかもしれない。
「お風呂、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。一息ついたらすぐに入るから、もう休んで」
僕がソファーに座るとお茶を淹れてくれた。
一休みするとバスルームへ行ってバスタブに身体を沈めた。
理奈はいつものようにソファーで僕があがるのを待ってくれている。
理奈がだいぶ先に入っていたようで、お湯は少しぬるめになっている。今日はぬるめが心地よい。
「お背中流しましょうか?」
頭を洗っていると外から理奈が聞いて来た。ソファーで待っているはずが、こんなことは始めてだ。どうしようか、少し迷った。
「悪いけど流してくれる?」
理奈が入ってきた。裸になっていた。二人でお風呂に入るは初めてで驚いてじっと見てしまう。
理奈はもう僕に裸を見られても緊張しなかった。落ち着いていて、タオルに石鹸をつけて、背中を洗ってくれる。
アルコールが少し身体に残っているせいか、すごく心地よい。
理奈には悪いが、ソープで背中を洗ってもらっているような錯覚に落ちいってしまう。
心地よい! 癒される! 理奈に洗ってもらっている!
幸せな気持ちになる。ほっとして疲れが取れていくような気がする。
「一緒に浸かってくれる?」
「はい」
一緒にバスタブに浸かる。理奈を僕の前に招き入れる。お湯が勢いよく溢れる。そして後ろから軽く抱く感じで手を廻す。
理奈は髪をアップにして留めているのでうなじが目の前にある。きれいな白いうなじだ。思わず口づけをした。理奈は首をすくめたが何も言わなかった。
「ありがとう、洗ってもらって、いい気持ちだった、疲れがとれる」
「喜んでもらえて嬉しいです」
「上がろう」
浴室を出ると理奈がバスタオルで背中を拭いてくれる。僕もお返しに拭いてあげる。
拭き終わると「ありがとう」といって、理奈に軽くキスした。
「頼みごとがあるけど聞いてくれる」
「何ですか?」
「今夜は理奈さんの布団に入れてもらえないかな?」
「良いですよ、喜んで」
「理奈さんを抱きたいとかいうよりも、一緒にいたい、いてほしい」
「お安い御用です」
僕は理奈について部屋に入った。そして布団に入って上向きに寝転んだ。理奈の匂いが部屋に満ちている。
「疲れているみたいですね」
「ああ、疲れた」
「背中を撫でてあげましょうか? うつ伏せに寝てください」
向きを変えると理奈が背中をゆっくり撫でてくれる。心地よい。
「いいもんだね、背中を撫でてもらうのは」
「そうです。とっても気持ちいいんです。いつもしてくれているではありませんか」
「そういえば、してもらったのはこれがはじめてだ。ありがとう。癒される! なぜ疲れたのかって聞かないの?」
「言いたくないと思うし、それを聞いても私は何もしてあげられないから」
「こうして撫でて癒してくれている。それで十分だ、本当に十分過ぎるくらいだ。ありがとう」
「亮さんはいつも私をこうして癒していてくれています。これくらいさせてください」
「そうか、ありがとう。このままここで眠らせてくれれば、もう言うことはない」
僕はあまりにも気持ち良くてすぐに眠ってしまった。
ありがとう。理奈! 癒された!
朝、目が覚めたら理奈は布団にいなかった。
もう朝食の用意をしている。取り残されたようで少し寂しい。
目覚めた時も背中を撫でてほしかった。でもこれは贅沢で我が儘だ。