6時前にはマンションに帰ってこられた。買ってきたお弁当を二人で夕食に食べた。

いつものように食事を終えてから、僕の入れたコーヒーを飲んだ。

理奈は何か考えているようで、心なしか話がはずまない。もう仲直りしたはずだ。

今日は新幹線に揺られて疲れたから、早めに休むことにした。

勧められて僕が先にお風呂に入って、その後に理奈が入った。

理奈が上がってきたので、冷たいお茶の入ったコップを渡した。

理奈が飲み終えるのを待って「おやすみ」と軽くハグしようとすると、理奈の方からいつもよりしっかりハグしてくれた。

思いがけないことだったので嬉しかった。僕は機嫌よく部屋に入った。迎えに行ってよかった!

パジャマ姿の理奈はもういつも通りに見えた。もう寝ようかと思った時に、理奈がドアをノックした。

「入ってもいいですか?」

「いいけど、どうかした?」

理奈が入ってきた。

「布団に入りますから、抱いて寝てください。ただ、軽く抱くだけでお願いします」

「言うとおりにする。喜んで」

理奈は布団に入ってきた。僕の方に顔を向けているが目を閉じている。

言われたとおり、軽く抱こうとするが、理奈の身体はガチガチだ。理奈の心臓の鼓動が伝わってくる。

「理奈さん、身体がガチガチだ。無理することはありません。部屋に戻ったらどうですか」

「すみません。緊張してしまって、これじゃあ、亮さんに悪いですね」

「その気持ちだけで十分嬉しい。どうするこのままここにいる?」

「はい、迷惑でなければ居させてください」

「それじゃ、向きを変えて後ろを向いてくれる」理奈は素直に向きを変えた。

「後ろから軽く抱いてあげる。それなら緊張しないと思うけど」

「それでよければそうして下さい」

軽く抱くと、理奈は僕の両手をそれぞれの手で握った。これじゃあなんにもできない。理奈は賢い。

理奈の頭が僕の顔の下にあって髪の匂いがする。理奈の匂いだ。胸と脚が理奈の身体に触れている。

柔らかい女の身体がそこにある。僕のあそこはもう硬くなっているので、腰を引いている。理奈が気付くと嫌がることが分かっている。

すぐに押さえつけてでも自分のものにしたい! これは拷問に等しい。理奈はまた僕を試しているのか?

いや、いや、そんなゆとりはないはずだ。身体が今もガチガチだ。理奈なりに僕のことを思ってくれているだけだ。

今はそれで十分だ。理奈は今僕の腕の中にいる。先日憂さ晴らしをしたばかりだから、なんとか冷静でいられた。

理奈の身体から硬さが抜けていくのと僕が眠ったのは同じころのような気がする。