6時少し前に店に電話を入れる。先週末に野坂さんと行った時の二人の会話が少し気になっていた。
「スナック凜です」
「磯村だけど、今日、行ってもいいかな?」
「どうぞ、いらして下さい。待っています」
「じゃあ、いつもの時間くらいに行きます」
凜の弾んだ声が聞こえた。凜も会うのを楽しみにしてくれているのが分かった。なんとなくほっとして浮き浮きする。
夕方から雨が降り出していた。いやな雨だ。会社で時間をつぶした。
来週早々にプロジェクトの会議を設定していたので、その準備をした。
それから遅めの夕食を会社の近くのレストランで食べた。
でも間が持たない。店を訪ねるには早すぎるが、行って待たせてもらうことにした。
10時過ぎに店についた。幸い店には客がいない時だった。
「早かったんですね」
「どこかで時間をつぶそうと思ったけど、この雨だから、ここでつぶさせてもらうよ」
「いいですけど、今なら上へ上がって待っていてください。シャワーでも浴びていてください」
「じゃあ、そうさせてもらうよ」
「11時までは店を開けておきたいので、すみません」
「いや、気にしないで。のんびり待たせてもらうから」
僕はお客が来ないうちにすぐに階段を上がった。凜のにおいがするいつもの凜の部屋だ。
11時まで店を開けるといっていたが、お客さんは来なかったみたいだった。11時なるとすぐに部屋に上がってきた。
僕は座ってベッドに寄りかかってテレビを見ている。
「ごめんなさい、お待たせして」
「こちらこそ悪かったね、早く来てしまって。ゆっくりさせてもらった」
「シャワーは?」
「まだ、一緒に浴びようと思って」
「それじゃあ、一緒に」
二人でシャワーを浴びる。熱いお湯をたっぷり浴びる。凜は髪を洗っていた。
上がってから、バスタオルを身体に巻いたまま、二人はベッドに腰かけて水割りで喉を潤した。
喉が潤ったら、さっそく愛し合う。
夜は長い、特に雨降りのこんな夜は二人でないと寂しさが募る。
◆ ◆ ◆
凜は背中を向けて横になっていて、僕は後ろから彼女を包むように抱いている。
久しぶりだったので二人ともその余韻を楽しんでいる。
抱いている凜の身体が温かくて心地よい。
凜は静かに僕の回復を待っている。もう少し時間が必要だ。
「雨の日は雨音を一人で聞いて眠るのが寂しくて、来てくれて嬉しかった」
「そう言ってくれると来たかいがある」
「いつまで来てくれるつもり?」
「分からないけど、君がどこかへ行ってしまわない限りはね」
「じゃあ、そのときまで来てくださいね」
「ああ、約束する」
頃合いを見て凜が寝返って僕に抱きついてくる。僕はもう回復している。
今度は凜が積極的に愛してくれる番だ。このごろは彼女のしたいようにさせている。その方が楽しいからだ。
凜が疲れ果てると抱き合って眠りに落ちる。
明け方、まだ雨音がしている。僕は凜を揺り起こしてまた愛し始める。凜はすぐに応えてくれる。
それから二人はまた眠る。
明るさで目が覚めたのはお昼前で、もう雨はすっかり上がっていた。気だるい満足感が身体を包んでいる。
凜が先に起きてシャワーを浴びに行った。それから昼食にサンドイッチを作るという。
僕はそれを横目で見ながらシャワーを浴びにバスルームへ入った。それから身支度をする。
「冷たいミルクでサンドイッチが食べたかったから」
「確かにそんな気分だね、いただきます」
食べ終わると、僕はいつものようにお礼を凜に手渡して帰って行く。
凜が名残を惜しんで抱きついてくるので、お別れのキスをする。また、しばらくのお別れだ。
凜はいつも穏やかで落ち着いている。僕という特定の相手と愛し合うことができているからだろうか? このような生活に満足しているのだろうか?
僕も凜という特定の相手ができて仕事にも生活にも張り合いができてきた。欲望とストレスの発散ができているからかもしれない。
このような生活がずっと続けばいいと思うようになってきている。
そして、今が一番いい時かもしれないと思い始めている。
「スナック凜です」
「磯村だけど、今日、行ってもいいかな?」
「どうぞ、いらして下さい。待っています」
「じゃあ、いつもの時間くらいに行きます」
凜の弾んだ声が聞こえた。凜も会うのを楽しみにしてくれているのが分かった。なんとなくほっとして浮き浮きする。
夕方から雨が降り出していた。いやな雨だ。会社で時間をつぶした。
来週早々にプロジェクトの会議を設定していたので、その準備をした。
それから遅めの夕食を会社の近くのレストランで食べた。
でも間が持たない。店を訪ねるには早すぎるが、行って待たせてもらうことにした。
10時過ぎに店についた。幸い店には客がいない時だった。
「早かったんですね」
「どこかで時間をつぶそうと思ったけど、この雨だから、ここでつぶさせてもらうよ」
「いいですけど、今なら上へ上がって待っていてください。シャワーでも浴びていてください」
「じゃあ、そうさせてもらうよ」
「11時までは店を開けておきたいので、すみません」
「いや、気にしないで。のんびり待たせてもらうから」
僕はお客が来ないうちにすぐに階段を上がった。凜のにおいがするいつもの凜の部屋だ。
11時まで店を開けるといっていたが、お客さんは来なかったみたいだった。11時なるとすぐに部屋に上がってきた。
僕は座ってベッドに寄りかかってテレビを見ている。
「ごめんなさい、お待たせして」
「こちらこそ悪かったね、早く来てしまって。ゆっくりさせてもらった」
「シャワーは?」
「まだ、一緒に浴びようと思って」
「それじゃあ、一緒に」
二人でシャワーを浴びる。熱いお湯をたっぷり浴びる。凜は髪を洗っていた。
上がってから、バスタオルを身体に巻いたまま、二人はベッドに腰かけて水割りで喉を潤した。
喉が潤ったら、さっそく愛し合う。
夜は長い、特に雨降りのこんな夜は二人でないと寂しさが募る。
◆ ◆ ◆
凜は背中を向けて横になっていて、僕は後ろから彼女を包むように抱いている。
久しぶりだったので二人ともその余韻を楽しんでいる。
抱いている凜の身体が温かくて心地よい。
凜は静かに僕の回復を待っている。もう少し時間が必要だ。
「雨の日は雨音を一人で聞いて眠るのが寂しくて、来てくれて嬉しかった」
「そう言ってくれると来たかいがある」
「いつまで来てくれるつもり?」
「分からないけど、君がどこかへ行ってしまわない限りはね」
「じゃあ、そのときまで来てくださいね」
「ああ、約束する」
頃合いを見て凜が寝返って僕に抱きついてくる。僕はもう回復している。
今度は凜が積極的に愛してくれる番だ。このごろは彼女のしたいようにさせている。その方が楽しいからだ。
凜が疲れ果てると抱き合って眠りに落ちる。
明け方、まだ雨音がしている。僕は凜を揺り起こしてまた愛し始める。凜はすぐに応えてくれる。
それから二人はまた眠る。
明るさで目が覚めたのはお昼前で、もう雨はすっかり上がっていた。気だるい満足感が身体を包んでいる。
凜が先に起きてシャワーを浴びに行った。それから昼食にサンドイッチを作るという。
僕はそれを横目で見ながらシャワーを浴びにバスルームへ入った。それから身支度をする。
「冷たいミルクでサンドイッチが食べたかったから」
「確かにそんな気分だね、いただきます」
食べ終わると、僕はいつものようにお礼を凜に手渡して帰って行く。
凜が名残を惜しんで抱きついてくるので、お別れのキスをする。また、しばらくのお別れだ。
凜はいつも穏やかで落ち着いている。僕という特定の相手と愛し合うことができているからだろうか? このような生活に満足しているのだろうか?
僕も凜という特定の相手ができて仕事にも生活にも張り合いができてきた。欲望とストレスの発散ができているからかもしれない。
このような生活がずっと続けばいいと思うようになってきている。
そして、今が一番いい時かもしれないと思い始めている。