一緒に行かないと決めたのは自分なのに、あまりの暑さに冷たいものが欲しくなり、悔やんでしまう。

ホテルの売店で購入したイオン飲料のペットボトルを飲んで、歩みを進ませた。教えてもらった通り、15分で入り口に設置されている看板に辿り着く。

看板には雲場池の説明と散歩コースのルートが記させていて、一周ルートと半周ルートがあった。一周するのに20分くらい。

時間はあるから、一周してみよう。足を踏み入れるとまず見えてきたのは、目的である池。


「うわぁ」


思わず声が出てしまい、口を押さえて周りを見た。何人か人はいるけれど、誰も私を見ていない。

ほっと胸を撫で下ろして、再度雲場池を見る。青々とした木々が池の廻を囲っていて、その木々が水面に映っていて、きれいだ。

自暴自棄になりつつあった心が洗われるくらいきれいで、その場にたたずんだ。

望まれてもいないのに、軽井沢まではみんなについてきてよかったのだろうかと何度も思った。私がいない方がもった楽しめるだろうと何度も思った。

だけど、結局断ることが出来ずに参加してしまった私は臆病者かもしれない。母が安心するからと母のために行くことを決めたと自分で自分に言い聞かせていたけど、それはただの逃げになる。


人のためとか思いながらも、人のせいにしていては意味がない。でも、誰かのためだと考えることで心が軽くなる。