それに亮平さんは自分だって辛い環境の中にいたのに、私の話を聞いて友だち関係を心配しれくれて、友だちとの仲がうまくいくようにと応援してくれた。私は亮平さんの本当の苦しみも知らないで、自分だけが苦しいと思っていた。

彼の優しさに甘えていて、心地よい優しさがもっと欲しいと思った。

「神様に見放されたと思ったけど、本当は違ったのかもね」

「えっ、どういうこと?」

亮平さんは届いたばかりのハンバーグを一口食べてから、はにかむように笑った。

私は同じく届いたばかりのパスタにフォークをくるくる回して絡めていたが、動きを止めて首を傾げる。

「神様はきっと試練を乗り越えた俺たちにご褒美の再会をくれたんだよ。すごいことだと思わない? 同じ東京だとはいえ、高校はたくさんある。その中で編入試験に合格した高校に未央ちゃんがいるなんて、神様がくれた運命だよね」

「そうか、神様がくれたんだ。私たちが頑張る姿を見ていてくれたのかもね」


運命だなんて大げさだと瑠衣には言ったが、亮平さんが言うと、運命なんだと思えてしまうから不思議だ。

瑠衣が信用できないのではないけれど、真実を伝えてくれた亮平さんの詞だから信じられてしまう。