「明日の朝九時、ここに来れる? 明日またふたりだけで会おう」

「うん、ここに絶対来る。九時だね、約束だよ」

「もちろん約束を忘れない」

心配してくれた祐奈たちと戻るから、今日はもうふたりでいられない。でも、約束をした。明日また会える。明日会うのが最後になってしまうのは分かっている。

それでも会えることが嬉しかった。約束できたことが嬉しかった。

私も一緒に写真撮ろうと祐奈に呼ばれて、撮っていたらいつの間にか亮平さんはいなくなっていた。気を利かせて、こっそりと帰ったようだ。亮平さんとも撮ればよかったと思ったが、過去の人が写真で残るのはよくないのかもと思い直した。

私たちは散歩コースを一周してから、ホテルに戻った。

部屋に戻ると、祐奈から「お土産」と紙袋を渡される。中にはドーナツが入っていた。

「かき氷は持ち帰れなかったから、一緒に売っていたドーナツにしたの。私たちも食べたけど、美味しかったよ」

「ありがとう」

私は祐奈たちの優しさが嬉しくて、すぐかぶりついた。程よい甘さが口の中に広がる「美味しい」と顔をほころばせて伝えると、三人は「ね!」と笑った。

夕食までの間、私たちは昨日と同じようにまたカードゲームをして遊んだ。