ケンカをしたのなら、謝って仲直りしたらいい。だけど、嫌われてしまってはどうすることもできなく、これ以上嫌われないためにも離れる選択をするしかない。

実際、私が離れるよりも先に離れてしまわれているのだけれども。傷を深くすることを恐れて、自分で決断力したように見せかけている。

「本当に仲間外れされているの?」

「うん、そうだと思うけど……なんでそんなこと聞くの?」

「東京から軽井沢までは距離があるよね? 遠くまで一緒に旅行しようと考えたなら、仲が悪いとは思えないけど。仲間外れするほど、嫌いなら一緒に旅行しようとしないよね?」

「単純に考えれば、嫌いなら旅行に誘わないと分かるけど、そんな単純じゃないの。最初は私抜きの旅行を計画していたけど、仕方なく私を誘ったんだから」

私の説明に亮平さんは「どういうこと?」と聞いた。

あまり人に話したくはないことだったけど、中学生の時のことから、母が先に旅行計画を知ったことまで話す。

話ながら、私はその時の悲しく寂しい気持ちを思い出して、心はさらに沈んでいく。

亮平さんは「うん、うん」と聞いてくれていた。私はどこにいても、嫌われてしまう人間なのかもしれない。