火曜日。私は渋々学校へ向かった。

外は腹が立つほど蒸し暑かった。

気持ちが落ち込んでいる時に、天気が雨とかも嫌だけど、晴れているのもなんだか違う意味で嫌だと思った。

通学路を歩いている最中に、私は腹痛に襲われて、一度家に引き返そうとした。だけど、それだと外に出た意味がないため、私は学校まで頑張って歩いた。

紅羽はどうやら学校を休んでいるらしい。月曜日も火曜日の今日も。

私のせいで責任を感じて休んでいるのかな? ……だとしたら私はどうすればいいんだろう?

学校は一日休んだだけだったので、授業で大幅な遅れをとることはなかった。

といっても、もともと私はちゃんと勉強していなく、授業中は窓の外ばかり見ているから、授業のことなんてどうでもいいんだけど。

昼休みは、お母さんが作ってくれた弁当をトイレの個室で食べた。環境のせいかあまりおいしくは感じなかった。

学校が終わって下校をしている間も、私の気分は一向に晴れないままだった。

いつもの帰り道をいつも通り歩く。違うのは隣に紅羽がいないことだ。でもたったそれだけのことで、まるで深くて濃い霧の中を歩いているような不安な気持ちになる。

紅羽は私にとってとても大切な存在だと、再確認した。

どんよりとした足取りで歩いているうちに、分かれ道にあたる。――右側は私の家の方、左側は紅羽の家の方という分かれ道に。

私は迷った。紅羽の家に寄っていこうかどうか。

しばらく立ち止まって考える。

――だけど結局、紅羽の家の方には行かず、私は逃げるようにして自分の家の方向に走った。

情けない私。紅羽のことが心配なのに、その紅羽の家のインターホンを鳴らす勇気がなく、家の前にすら行けないなんて。

紅羽は散々私のために、動いてくれたのに。

私は紅羽の家に向かうことすら出来ない。

憂鬱な気分を抱えた私は、半べそをかきながら自宅を目指して走り続けた。